着床前診断とは

着床前診断とは、体外受精によって受精させた受精卵を8細胞の胚盤胞前後にまで発生させ着床させる前の段階で、細胞の一部を取り出し、染色体や遺伝子の異常がないかを検査し、正常卵のみを母体に戻すことで遺伝性の疾患や流産を防ぐことができる医療技術です。受精卵が染色体異常を持つ場合、着床できない、もし着床できても流産や死産することが知られており、女性の肉体的、精神的負担を減らすことができます。

しかし日本産婦人科学会では、原則として流産の予防を目的とした着床前診断を禁止しており、夫婦のいずれかが重い遺伝病を持つ場合などに限り着床前診断を認めており、検査を受けるには様々な審査や申請をし、対象と認められた場合に限り許可しています。

日本では、2015年2月に日本産婦人科学会が3年間の臨床試験を開始し、今後日本でも、不妊治療の現場で取り入れられる可能性が出てきましたが、過去に2回以上の流産を経験した女性や、体外受精で3回以上妊娠しなかった女性など、対象基準も厳しく、実施対象の施設も限定されており希望する誰もが受けれるものではありません。

一方海外では、アメリカやフランスなどのヨーロッパや、タイ、インド、アレーシアなどのアジアの国々で実施されそれぞれ不妊治療や男女産み分けなどその考え方や目的も様々です。

着床前診断の歴史も古く、1990年にイギリスで最初の出産事例が報告されておりヨーロッパ不妊学会に登録されているだけでも2007年までに5,000人以上、着床前診断の実施に規制のないアメリカでは現在までに少なくとも60,000人以上の赤ちゃんが誕生しましたが、着床前診断が原因で異常が起きたという事例は報告されていません。

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着床前診断で分かること

受精卵に異常があると、ほとんどが着床できません。もし異常卵が着床したとしても、妊娠の継続は難しく流産につながることが多いです。流産を防ぐことは母体への負担を軽減することができます。染色体異常の有無を事前に知ることで、異常の無い受精卵のみを着床させることができ妊娠率を上げることができるとされています。

また遺伝性の病気を事前に防ぐことができるので、ダウン症などが妊娠する前の段階で防ぐことができます。特に高齢出産の場合、染色体異常を持つ確率が上がります。そのため現在、妊娠初期に行うことができる出生前診断や羊水検査により、もし障害が分かれば、中絶を選ぶ夫婦が多いのも事実です。

そして染色体を検査するので、海外では着床させる前に男女の性別判定ができます。

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着床前診断の適応条件・審査

日本産婦人科学会が定める適応条件についてまとめました。

  • 実施施設について

体外受精・胚移植による分娩例を有するなど、認可申請の審査の許可を得た施設のみ実施可能

  • 審査対象

適応の可否は、申請された事例ごとに審査され、原則として重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある、遺伝子や染色体異常を保因する遺伝性疾患の場合に限るとし、均衝型染色体構造異常が原因の習慣流産(反復流産を含む)も対象としています。

  • 審査要件

所定の様式に従って学会に申請し許可を得ること。

また着床前診断にかかる費用等も、保険適用外で全て自己負担ですし、申請してから結果が分かるまで時間もかかるため、ハードルが高いのが現状です。

ただし、この日本産婦人科学会の承認なしで、独自に着床前診断をされている日本の病院があります。神戸にある大谷レディスクリニックや長野県の諏訪マタニティークリニックです。

着床前診断に興味のある方の中では有名ですよね。

いずれも学会指針に違反したとして、学会から医師が除名処分されています。現在も病院独自の基準により承認なしで、着床前診断を実施しています。

通常の体外受精では妊娠されづらい方や、習慣流産の方が受けられているようですが、男女産み分け目的では、現在受けられません。

つまり、日本で男女産み分け目的の着床前診断を受けることは、できません。

まとめ

現在、日本で着床前診断を受けるには、遺伝性の重篤な疾患の可能性のある方や習慣流産の方のみで、法的には問題ないため学会の承認なしで実施できる病院もありますが、産み分け目的では受けられません。

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